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[『もとにする量=比べる量÷割合』の意味付けを教えてください。(小5)]





割合の3用法って式を覚えさせられますけど、意味付けを考えている人はどのくらいいるでしょうか。

自分が疑いなく使っている式を小学生に説明できますか?

中でも『もとにする量=比べる量÷割合』は少し考えてあげないとわけがわかりません。

ここでは、
@割合=比べる量÷もとにする量
A比べる量=もとにする量×割合
Bもとにする量=比べる量÷割合
を順に考えていきますね。


@割合の定義式

そもそも割合の3用法というものは、割合の定義式からはじまります。

割合とは何なのか。

それは、ある量に対する別の量の比です。少し簡単な言葉でいうと、別の量はある量と比べて「どのくらい」あるのかを示すものになります。

割合というのは、まずある量を指定しなければ定義できません。基準となる量を決めておくのですね。この「ある量」が「もとにする量」といわれるものです。

一方「別の量」のことを普通は「比べる量」と言います。言葉だけ聞くとなんのこっちゃという感じですが、ある量を基準にして比較する量、比較対象のことです。


例えば「300ページある本の150ページを読んだ」と言えば本全体のページ数をもとに考えて、読んだページ数を比較できますよね。

300ページのうちの150ページを読んだとき、栞を挟んで本を閉じてみます。

栞は本の厚さのちょうど真ん中に挟まっていますよ。

読んだページ数は全体のページ数の半分なんですね。

お友達には本のページ数を伝えなくても、その分厚い本をちらっと見せて、「半分読んだ」と言えば情報としては十分です。

何ぺージかと細かく聞いてくる人はあまりいないでしょう。

それは、わたしたちが、全体のうちの「どのくらい」(半分、5ぶんの1など)という感覚を持っているからです。

本題からそれるので、割合の定義はこのくらいにしておきますね。

割合というのが
『割合=比べる量÷もとにする量』
で定義され、
「どのくらい」ということを表せるものだと説明してあげてください。



A比べる量

もとにする量が決まっていて、それに対する「どのくらい」つまり「割合」を教えてもらうと、比較対象の量を決定できます。

『比べる量=もとにする量×割合』

この式の意味を考えてみましょう。

300ページの本があります。このうち半分を読みました。

文章から割合がすぐにみつかります。この「どのくらい」を表す部分を数値で表すと
1/2
または
0.5
または
50%
などとなりますね。
どれも同じ数値を表していますが子供の中でこれらはバラバラの知識です。

初めて学習するときにはどれか一つに統一しておいたほうが良さそうに思います。

私は百分率を分数の形に直して使うことが多いです。

50%は100ぶんの50です。

式の意味の一般理解には一番都合がいいですよ。

100ぶんの50というのは、もとにする量を100個に分けたうちの50個ぶんを意味します。

線分図でもとにする量(300ページ)を示し、その100ぶんの50を子どもに考えてもらいましょう。

ほとんどの子が300を2で割るかもしれません。

それでOKです。

その上でこちらから次の問いかけもしてみましょう。

全体(300ページ)を100等分したうちの一つ分ってわかる?

答えは3ページです。

それが50個ぶんだから、読んだページ数は3×50でもわかると、子ども自身気付くでしょう。

今の計算は
300×50/100
これをやっていたことになりますね。

300ページにあたる線分を100等分して、一つ分を出す。これが次につながります。



Bもとにする量

ある本の20%を読んだとき、ページ数は80でした。

線分を描いてあげてください。

「ある本の」と言いながらもとにする量を線分で表します。

そして「100ぶんの20」の意味を確認してあげましょう。

100等分したうちの20個ぶんです。

これが80ページにあたるわけですね。

子どもはどうやってもとにする量を計算するでしょうか。

線分図から、80ページが5つ集まればいいことに気付く子もいるでしょう。

それももちろん大切な見方です。

ですが、最初に、より一般的な話をしておきたいので、線分の80ページのところが20等分されていることにも気づかせてくださいね。

80÷20でメモリ一つ分が4ページを表していることになります。

もとにする量は、それが100個ぶんですから100倍して400ページだとわかるんです。

これはAのところでやった考え方からつながってますよね。


今の計算は
80×100/20
をやっていることになります。

比べる量×(割合の逆数)

になっていますね。

私はこちらがもとにする量を求める小学生に教えるべき本来の形ではないかと思っています。

「割合の逆数をかける」というのは「割合で割る」のと理屈の上では同じことになりますが、それは中学校で文字の計算に習熟してやっと当たり前に思えることでしょうから。

ですが、この説明で子どもも納得しますので、是非使ってみてください。



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